今夜の雇用統計は一味違う?

いよいよ米指標で最も影響力がある雇用統計が発表されます。前回のFOMCでは予想通り金利は据え置かれ、引き続き各指標に対し注視する姿勢を示しましたが、仮に年内利上げに踏み切るとすれば今夜の雇用統計は非常に重要な指標となります。

失業率や平均時給も重要ですが、やはり一番の注目は雇用者数です。前回のADP雇用者数が予想より下回ったことで、今回の雇用統計の結果もネガティブになるのではと考えている人も多いかもしれません。

事前予想では17.5万人の増加ですが、前回と同じく15万人を割らなければ順調であると解釈される可能性が高そうです。今年の雇用統計の結果を平均すれば異常な落ち込みはあったものの、そこまで悲観するほどではない、と評価されるかどうかが関係しそうです。

ただ、今回の雇用統計はいつもとは少し違う展開になるかも知れません。

来週に米大統領選挙を控え、その結果によっては大きく為替市場も影響を受けるため一部では様子見や利益確定して安全通過に変える動きが強まっています。ここ最近の円高要因はほぼ間違いなく”トランプリスク”と見られています。

期日前投票や出口調査、またマスコミの世論調査などにより大きく右往左往する可能性が高いため、仕掛けにくい状況が続くかも知れません。クリントン氏優勢となったところで再び円安に向かうかどうかは不明なので、少しショートのほうが強い感じです。

年内利上げに対しても、もしトランプ氏が大統領になった場合は12月利上げを見送る可能性が高いと考えられています。株式市場を始め、各金融業界に影響を与えるため、ここで利上げすると一気に業績悪化などにつながる可能性が高まるためと言われています。

そんな中で発表される今夜の雇用統計については、結果に対し素直に動くものの、もしかしたら動きの幅は限定的になるかも知れません。ただ、万が一かなり悪い結果になった場合、大統領選の不透明感も相まって一気に円高になる可能性が高そうです。

その場合の下値は1ドル102.50円を割って102円前半を目指すかもしれません。依然として押し目買いは一定数ありそうですが、材料が重なるとドル売りのほうが強くなりそうです。

上値が重い状況が、雇用統計が良い結果になることでブレイクしそうですが、それでもやはり大統領選を控えた今では限定的な伸びになりそうです。50pipsくらい動いたあとに利確が先行し、落ち着くころには雇用統計前の相場に戻っている…という可能性もありそうです。

今日の雇用統計はいつもと一味違う動きになると思うので、しっかり確認していこう思います。

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