米利上げは年内なし?

昨日(日本時間本日午前3時)に発表された、6月14-15日のFOMC議事要旨では、イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票を翌週に控え、利上げのタイミングについてはこの問題を見極める必要があるという結論となっていました。イギリスEU離脱問題の不安要素がFOMCメンバーのあいだでも広まっていたことを示す内容となりました。

結果、イギリス国民投票ではEUを離脱する決定が行なわれ、今もポンドを中心とした混乱が続いている状況です。イギリス、EUを含めた世界経済の先行きが不透明になるなかで、米利上げのタイミングについて慎重になる必要があるとの見方が固まりました。

FRBが年内利上げを行なわないのではないかとの観測から、ドルが下落しましたが、ドル円など相場への影響はいつもよりは落ち着いたものになりました。

明日、雇用統計が発表されますが、前回の非常に悪かった数値が一時的なものなのかどうかの見極めも含め、注目する必要がありそうです。イギリスEU離脱問題で世界経済が不透明感を増すなか、強い米経済を示すためには今後数ヶ月にわたる経済指標の結果が良いものになる必要がありそうです。

今日は雇用統計の前哨戦と言われるADP雇用統計に注目したいと思います。普段ならADPが良ければ雇用統計も良い結果になることが多く、ベンチマークとして使われます。ただし、前回はADPこそ良かったものの雇用統計の結果は非常に悪かったので、あくまで参考程度にするのが良いかも知れません。

ドル円は1ドル101.00円前後の上値が重く、なかなか抜けきらない状況かも知れません。雇用統計前ということもあり様子見ムードが広がる中、ポンドの下落が止まらずリスク回避で円が買われじわりじわり円高になる可能性もあります。下値はやはり心理的節目から100円にはかなりの壁があると思うので、今日は100.50円~101.20円ほどの幅で想定したいと思います。

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