イエレン議長の発言は影響なし?

FRBイエレン議長の講演では、「数ヶ月以内の利上げ」という表現が削除されたことにより、どちらかというとハト派と捉えられたようですが、市場が予想していたような最悪なパターンではなく、あくまで利上げは実施していくが見極めが必要になるとの認識を示したかたちになりました。悪すぎた雇用統計に対する発言については、単独の数値で判断するべきではないとの認識を示したほか、年内2回の利上げについては姿勢を変えていないとも捉えられています。

ただ、6月利上げの可能性はほぼ消えたため、ニューヨーク株式市場は上昇、イエレン議長のアメリカ経済に対する楽観的な見方が評価された動きとなりました。ドル円については発言前後で乱高下したものの、その後緩やかに円安に向かいましたが依然として上値の重い展開が続いています。

原油価格が大幅に上昇したことにより資源国通貨であるカナダドルや南アフリカランドが対円で上昇しました。特に南アフリカランドは7.0円前後で推移していましたが、このまま安定できるかどうかに注目が必要です。

イギリスのEU離脱問題では、最新のオンライン調査で離脱派が残留派に対し大きく差をつけるなど、徐々に盛り上がりを見せてきました。仮にEU離脱が確定した場合、ポンドが急落する可能性が高いため対円で買いポジションを持つのは控えたほうが良さそうです。もしEU残留が決まってもポンドが回復する材料になるか微妙です。

アメリカの今後の利上げについては各要人も以前と変わらぬ姿勢を見せています。悪すぎた雇用統計は驚きとしながらも、強い米経済を主張して他の経済指標も見ながら判断するべきであるとの見方は変わっていないと思います。6月利上げがほぼなくなったことから、次回のFOMCでの焦点は7月利上げなのか9月利上げなのかになりそうです。9月利上げだとすると年内2回の緩やかな利上げが難しいこともあり、利上げを急ぐのかどうかに注目したいと思います。

本日は米1-3月期労働生産性や米4月消費者信用残高などの経済指標が控えていますが、結果にはいつも以上に注意する必要がありそうです。良い結果が出ても即座に市場が反応することはなさそうですが、これからの指標が悪い結果続きだと市場の失望感を誘うことになりそうです。

特に買いの材料もないため、本日も仕掛けるなら基本的にショートがメインのほうが良さそうですが、全体的に材料不足は否めないためボラティリティの低い相場になりそうです。1ドル107.00円から107.70円を想定レンジとして、イフダンを仕掛けたいと思います。107円を割ってきたら基本ショートのみ、107.70円を超えてきたら取り引きストップしたいと思います。

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