G20閉幕、その影響は…

image目玉のG20が閉幕し、市場の安定化を目指し「すべての政策を総合的に用いる」との共同声明が採択されました。若干あいまいではありますが、各国が共通の危機感をもっていること、またそれに対し各国で対応する姿勢を見せたことで市場に一定の安心感を与えたとされています。ふたを開けてみれば中国より日本の通貨と金融政策が懸念材料として取り上げられたことが印象的でした。

各国の金融市場に対する課題と対策も取りまとめられました。日本では急激な円高や株安、物価上昇していないこと、それどころかマイナス成長となったことなどが課題として挙げられ、対策としては追加緩和と為替介入などがまとめられました。アメリカはドル高、利上げによる市場変動リスクがあり、これに対し緩やかな利上げ、もしくは利下げが対策として挙げられています。EUはやはりイギリス離脱問題がリスクとして挙げられています。

注目すべきは日銀の為替介入でしょうか。ここ最近材料不足にも関わらず1円ほど円安になる場面が何度かありましたが、実際に介入を行なったかどうかは本日の19:00に公表される外国為替平衡操作実施状況(介入実績)報告で判明します。介入していた、となればG20の結果も踏まえて今後も介入する可能性が高くなり、直近の下値もしくは以前言われていた110円以上円高に(急激に)ならないように操作する可能性もあります。

今週はアメリカの重要指標が立て続けに発表されることもあり、G20の結果とFOMCの動向も含めてより一層注目すべきかも知れません。FRBパウエル理事は今後の利上げについて「市場にとって不意打ちとなる可能性が高い」との見方です。

本日のドル円は114円が重く、現在は113.5円前後で取引されていますが、円安方向なら115円手前、円高なら直近下値の111円ほどを意識しながら取引したいと思います。