ECBサプライズなし、追加緩和否定せず

昨日行なわれたECB会合では市場の予想通り金利や政策など据え置きでおわりました。その後のドラギ総裁の会見でも目立ったサプライズは特に無く、比較的落ち着いた相場となりました。ユーロは大きく動いたように見えますが、今回の内容からいくと想定の範囲内と思われています。

ただ、イギリスのEU離脱決定に対する経済への懸念は示したことにより、次回の9月会合で追加緩和を打ち出す可能性については否定しませんでした。もちろん追加緩和を行なうとも言っていないため、余地を残すことに留まりました。

日本でも要人の発言に対して相場が大きく動きました。黒田総裁がBBCのインタビューでヘリマネについて実施を否定する報道があり、一気に円買いが進みました。追加緩和期待で円売りしていた、海外勢も含めた投資家が一斉に反応した結果となりました。

ただ、このインタビューは6月に行なわれており、元FRB議長バーナンキ氏が来日して話し合う前ということもあり、内容について様々な憶測が飛び交ったとはいえ、今回も「勝手に期待して勝手に失望」している状況に見えます。

ここ最近のドル円上昇に対する投資家のポジション調整の口実にすぎないとする見方もあり、個人的にはその見方がしっくりきます。日銀会合を来週に控え、このような対応になったのは実際の会合のときのダメージを弱めるためとの憶測もあり、様々な思惑が交錯しています。

好調な株価の動きや企業の業績などから追加緩和は必要なく、今以上に悪化したときのための切り札として今回は温存するのではとの見方もあるなかで、依然として「ヘリマネは実施しないにしても、何らかの追加緩和は行なうに違いない」という思惑が根強いのも事実です。このことから来週の日銀会合まで方向感が出にくくなる可能性もありそうです。

今日は週末ですが、特に重要指標はなくテクニカルな動きとポジション調整がメインになりそうです。急激な円高に対し、日経平均は反応しそうですが、来週の日銀会合に向けて早くも様子見ムードが広まるかも知れません。

ドル円は1ドル106円前後で推移していますが、方向感が出れば仕掛けたいと思います。損切りラインを広めに105.30円ほどに設定し、来週に持ち越すくらいの数量でロングしても良いかも知れません。拾う場所は105.80円くらいを狙いたいと思います。

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