4日に発表された米雇用統計は予想19万人増に対し24万2,000人増と大きく上回りました。労働市場の活気が鮮明になり景気後退をめぐる懸念が和らぎ年内の緩やかな米利上げ実施を後押しすると思われます。仮に賃金の結果もよければ3月にも利上げされたであろうという見方もあります。
ニューヨーク株式市場も上昇基調で、この流れは今週も続くと楽観視されています。
極めて良い。雇用者数だけでなく、家計調査の数字も伸びており、賃金を除きすべてが力強い。GDPは弱く、FRBは利上げしないとの見方とは、明らかに矛盾する内容だ。経済には非常に勢いがあることを示唆しており、FRBに圧力をかけ続けるだろう。この数字に加え、賃金が0.2%増加していたら、利上げは確実だった。雇用統計の中で賃金だけがFRBに一定の余地を与える。
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ウォールストリートジャーナル紙も5日付けの記事で「好調な米雇用統計、4月以降利上げを正当化か」と報じました。いずれも3月利上げはほぼ実施されないだろうとしつつも4月以降の利上げ姿勢については前向きな意見が多く見られます。
今週はECB理事会が予定されているほか、中国の貿易統計や外貨準備統計も注目されています。また本日はブレイナードFRB理事とフィッシャーFRB副議長の講演が予定されており、発言に注意が必要です。内容次第では大きくドル円が動く可能性もあります。
雇用統計後の株式市場の動きがどう反応するか注視しつつ、かなり上値の重いドル円のレンジ相場がブレイクするのか注目です。