EU懸念なくならず、日銀の介入はあるか?

イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票を控え、離脱派が依然として優勢な状況で警戒感から安全通貨であるとされる円が広く買われました。ただ、ドルも堅調だったためドル円のレートは1ドル106円前後で推移する結果となりました。比較的小幅なレンジで乱高下を繰り返しており、決定的な方向には欠けている状況です。

ポンドドルは下げのトレンドが続いていますが、国民投票で意識されるラインはリーマンショックの時につけた1ドル1.35ポンド付近です。もし、このラインを割るようなことがあれば相場は未知の領域となるため不確定な動きが続いていくと予想されています。

リーマンショックのときは円高でもあったため、対円では1ポンド119円ほどでしたが、今のレートに置き換えると1ポンド140円付近となり、ここ最近のポンドの下げ幅を考えると十分に視野に入るレートとなります。

イギリスのEU離脱が決まればポンドのレートは最大で10%近く下がると見ている投資家も多く、ますますレートが現実味を帯びてきました。ただ、注意しないと行けないのは離脱しなかった場合の影響があまり語られていないことにあると思います。このあたりも国民投票までにはしっかりと下調べをしておきたいと思います。

ドル円は年初来下値の1ドル105.50円台が意識され下支えとなっていますが、下値のラインを割ると1ドル100円も視野に入るとの見方を示す投資家もいます。105円を割ると再び日銀の為替介入の警戒感が強まり、神経質な動きになると予想されます。

本日から日銀の金融政策決定会合が行なわれますが、内容によっては円が乱高下する可能性があり注意が必要です。決定的な追加緩和やハト派的発言が続いた場合、失望感から円高が進行すると思われます。為替介入についてもG7、G20で釘を刺されていることから、どのような対応を行なうのか注目する必要があります。

そして、日本時間で日付は明日になりますが午前3時にFOMCも予定されています。6月利上げはないとの見方がほとんどですが、7月利上げに言及があるか、今のイギリスの状況や世界的な経済不安定についてどのような発言があるか注目したいと思います。

介入しない(できない)、追加緩和も先送り、FOMCがハト派などの条件が重なった場合、安全通貨の円が安心感からさらに買い込まれ円高が進行する可能性があります。その場合は103円台もありえそうな気もするので、ロングで仕掛ける場合はしっかりとした逆指値が必要です。とはいえ、一方的にショートで良いのかというと決してそういうわけではなく、非常に難しい判断に迫られそうです。まぁこれが為替の醍醐味でもあるわけですが…。

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