ドル円が実に不安定です。昨日は一時1ドル111円を割り、日銀が意識している110円台に到達する結果となりました。そこで「日銀が介入に備えてレートをチェックした」との噂が広まり、下げ幅は一気に縮まりましたが、実際にそのような事実は確認されていません。先のG20で通貨安戦争を回避することに合意していることもあり、安易な判断はできないと思われます。
実際に介入するとは考えにくいため、若干下げ含みのほうが強い状態です。111円前後で揉み合いするか、抜けて110.70円ほどまで進行する可能性もあります。日経平均は現時点で4日連続で下がっており、さらなる円高材料となっています。ドル円ほどのメジャーペアが1時間単位で1円以上動くのはまさに乱高下と言えるかも知れません。
一方、スワップ狙いの人には吉報もありました。南アフリカ中銀は17日の政策金利レポートを0.25%引き上げ7.00%としました。大方の予想どおりとはいえ、対円では大幅な上昇を見せました。今後の2年間でさらに2%の上乗せがあると予想されており、スワップ金利差はますます広がるかも知れません。
イングランド銀行も全会一致で政策金利を過去最低基準の0.5%に据え置くことを決定し、資産買い入れ規模も同じく継続することに決定しました。これにより対円、対ドルともに大きくポンドが上昇しました。原油も上昇し、ニューヨーク株式相場も上昇で終わりました。他通貨も堅調な動きを見せ、まさにドル円だけが乱高下といった雰囲気でした。
本日は週末のポジション取りと、中国指標に連動した取り引きが必要かと思われますが、弱含みが大きいので昨日とまったく逆の考えでしっかりと上にストップを張りつつ、円高で小幅に利確していくほうが良いかも知れません。円安ポジションを持つ場合は数量に注意し、週明けまで保有するくらいの期間で考える必要がありそうです。