昨日発表されたADP雇用統計は大方の予想と同じ結果となりました。強めの予想をしていたところからは小幅に下回ったと評価されています。これによりFRBの利上げ観測が後退、円買いが進みました。新規失業保険申請件数は引き続き30万人を割り、予想よりも良い結果となりました。その前後に発表されたECB理事会やドラギ総裁の会見では特にサプライズはなかったものの、依然として残る追加緩和期待からユーロが安く取り引きされました。
OPECでの生産上限の合意も失敗し原油価格が下落、ニューヨーク株式市場も売りが先行するなどリスクオフの流れが強くなり円買いが進みました。ドル円は111円の壁が厚く、110円を割ったことで再び円高トレンドに入ったような形になりました。
本日はいよいよ米雇用統計が発表されます。日本時間では21時30分となっていますが、21時くらいから動き出す場合もあるので早めのポジション整理を行なって、指標の乱高下を狙うなら発表数分前に仕掛けるのが良いと思います。
前哨戦であるADP雇用者数が予想通り、もしくは若干の弱含みとなったことで、雇用統計も同じような結果になる可能性があります。とくに今回はベライゾンのストライキの影響で予想よりも少なくなる可能性がある、という状況が織り込み済みなので、かなり悪い結果でなければ良い、という考え方もあります。
事前予想では+16.0万人となっており、+15.5万人くらいなら想定の範囲かも知れません。15万人を割ったり、12万人程度だとサプライズとなり利上げ観測はさらに後退、7月利上げも薄く評価される結果になるかも知れません。その場合は最近のドル円の円高基調から、107円台への突入も十分に考えられます。
逆に予想よりも大幅に良かった場合、6月利上げを正当化する理由にも見られるかも知れませんが、それよりも7月利上げが確実視されドル買いが進む結果となると思います。とはいえ、利上げについてはかなり織り込み済みなのでドル円の上昇幅は限定的になる可能性が高いです。
日中は雇用統計待ちで為替相場は薄商いが予想されます。21時時点の相場で雇用統計の仕掛けを判断したいと思います。若干弱いADP雇用者数の煽りを受けて、雇用統計も弱含みになるのか、それともほぼ予想通りの結果は良しとされるのか、非常に難しい判断になると思います。スキャルをやるなら1円幅で動くとおもしろいのですが…
雇用統計の後にもISMなどが控えており、23時過ぎまではボラティリティが高くなりそうです。週末のポジショニングも含めて慎重に取り引きしたいと思います。
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