先週末に発表された米雇用統計の結果は予想通りか予想より良かったとする投資家が多く、瞬間的な大幅下落は免れたのと同時に来週14日のFOMCで利上げすることがより確実になったとされています。市場では相変わらず“100%”織り込んでおり、焦点はすでに来年の利上げ回数に移りつつあります。
その後は大方の予想通り、今朝公表されたイタリアの国民投票の結果を睨んだポジション整理や利益確定売りが優勢となり円高で終わる結果となりました。
そのイタリアの国民投票では憲法改正反対派が圧勝したことでレンツィ首相が辞意を表明、ユーロは対円で一時118円台まで割り込んでいます。また、新興国通貨も荒れておりニュージーランドではキー首相が辞意を表明したとの報道で対円で一時1円以上大幅に下落しています。
しばらく余波は続きそうですが、ドル円はレンジが出来上がれば落ち着きを取り戻しそうです。ニューヨーク時間にはISM非製造業景況指数などの重要指標と、ニューヨーク、シカゴ、セントルイスの各連銀総裁の講演が予定されていることから、要人発言による不意な動きに注意する必要があります。
先のとおり来週の利上げは確実視されており、来年に2回の利上げが適切であるとする発言内容があるかどうかに注目したいと思います。トランプ新政権が発足し、“トランプバブル”が続くのか、本当に政策が実行されるのかなど不安要素もあるなかでFRBの動きにも注目が集まっています。
今日はひとまずこのユーロ関連の乱高下が比較的落ち着きだすまで様子見し、欧州時間に備えたいと思います。欧州が開くともう一度乱高下はありえそうなので欧州株に引っ張られるようにユーロドル、ユーロ円が動く可能性があります。予想できない場合は見送ってニューヨーク時間まで様子見したいと思います。
今日のドル円は1ドル112円後半からすでに1円ほど戻し、先週終値くらいまで戻ってきています。こうなると再びじりじりと円高もありえる相場ですが、やはり欧州時間までは様子見したいと思います。基本的には今週もロングで良さそうですが、依然としてドル円ほどの主軸通貨が1日1円レベルで動く状況なので数量には注意したいと思います。
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